東日本大震災から10年
おはようございます。
2011年3月11日から10年が経ちました。
未だ避難生活を送られている方もいらっしゃるようで、まだまだ完全な復興は出来ていないのだと改めて感じました。
1o年前の今日、私は派遣のバイトで千葉の船橋駅にいました。
当時、劇団の仕事だけでは当然食べて行けなかったのでバイトをいくつも掛け持ちしながら日々の生活を送っていました。
2011年3月11日14時46分。
その日、いつものようにバイトをしていると、突然大きな揺れを感じました。
かなり大きな揺れだったのですが、当時は今のようにスマホも普及していなかったので、震源地はどこなのかすぐに把握することが出来ませんでした。
揺れが収まると、電車が暫く動かないという駅のアナウンスが入りました。
その日の仕事は19時までだったので、
「まぁ帰る頃に動いてくれるから関係ないな」
と、軽く考えていました。
しかし、駅にいる人達の会話を聞いていると
「震源地は東北あたりらしい」
「かなり大きな地震だったらしい」
「都内も交通機関がマヒしているらしい」
という情報が少しずつ入り始めました。
暫くすると、本日は終日運休するという駅のアナウンスが入りました。
派遣会社からも勤務を切り上げるように連絡が入ったのですが当時私は板橋区に住んでいたのでどうやって帰ろうかと悩んでいました。
電車が動かないならバスかタクシーで帰るしかないと思い、バス乗り場、タクシー乗り場に行ってみると物凄い長蛇の列が出来ていました。
しかし、都内でもすでに交通機関がマヒしていたのでタクシーやバスでも都内へは帰れなかったと思います。
駅周辺には帰宅できなくなったいわゆる帰宅難民で溢れかえっており、24時間空いているファミレスや居酒屋、カラオケ、ホテルなどで明日の始発まで過ごそうと思ってもすでに満室でどこにも入ることが出来ませんでした。
すると、
「帰宅出来ない人が避難できる避難所が開設されたからそこに向かうと良いらしい」
という情報が人々の会話から聞き取ることが出来、自然と避難所へ向かう人の流れが出来ていきました。
当時スマホじゃなかった私は、今のようにSNもやっていなかったので、今どこで何が起こっているのかを知ることが出来なかったので、ただただ不安でした。
30分程歩くと公民館のような施設に辿り着き、そこが避難所として開放されていました。
その避難所に設置されていたテレビで初めて私は、その日どこで何が起こっていたのかを知りました。
映画のワンシーンだと思えてしまうくらい信じられないような映像でした。
まさかこれが日本で起こっているなんて信じられませんでした。
テレビを見て人達の表情は皆強張っており、誰しもが言葉を失っていました。
夜、避難所で自分がかろうじて横になれるスペースを確保刷ると、救援物資が届いたという情報が入り、毛布と水が配布されました。
物資を受け取る列が出来ていたのですが、誰からともなく
「女性と子供に優先して回そう」
という声が上がり、女性、子供に優先的に救援物資が行き届て行きました。
その時に私は日本人の本来持ち合わせている団結力を目の当たりにすることが出来ました。
そして一夜空け、千葉から都内に向かう公共機関は少しずつ復旧しており、3月12日には帰宅することが出来ました。
12日以降はバイトも休みになり、劇団の稽古も中断し、自宅でテレビのニュースを眺める日々が続きました。
その中で、伝えられたのが
『被災犬』
という存在です。
震災の影響で家や飼い主を失った被災犬が行き場を無くしているというニュースを見て、いつか犬を助ける仕事がしたいと思っていた私は何とかして被災犬を助けられないかと考えていました。
数ヶ月経ったある日、バイト先の先輩から電話があり
「あなた犬が好きって言ってたよね?私の知っている人が東京で被災犬を受け入れるシェルターを作るから手伝わない?」
と言われました。
当時私は30歳。
今まで自分の好き勝手生きてきたけど、ここからの人生は犬を助ける為に動こうと思い、私はそのシェルター開設を手伝うことにしました。
そして震災後の約6ヶ月後、9月7日に
しっぽネット西東京センターが開設されました。
その2日後には私は福島県の会津若松に行き、被災犬2頭を引き取りに行きました。
その被災犬の名前はシロとクロ。
シェルター入所第1号の被災犬でした。
シロとクロは、飼い主さんが震災で怪我をし入院しなければいけなくなったので、その間シェルターで預かり、飼い主さんの退院後にまた飼い主さんの元へ返しすることになっていました。
シロとクロがシェルターにいたのは約3週間でしたが、このシロとクロの出会いが全ての始まりでした。
この時シロとクロは3歳だったので、元気にしていれば13歳。
元気にしているかな?
また会いたいです。
そして下の写真は、無事退院した飼い主さんにシロとクロをお返しした時の様子です。
(まだ犬の仕事に慣れてなかったとはいえ、サンダルというふざけた格好で申し訳ないです・・・)
この時の飼い主さんの笑顔がとても印象的で、私は飼い主さん達に笑顔になってもらうことが自分の役割だと気づきました。
これからも飼い主さんに寄り添い、飼い主さんも愛犬も笑顔に出来る人間になりたいと思います。